WARNING: This is the OLD IUF website.
Visit the NEW IUF website here: http://www.iuf.org


コロンビアの労働者と農民がグローバル新自由主義に挑戦

Printer-friendly version

 

 

 

自由貿易の鶏がコロンビアに帰ってきた。同国では、米国を初めとする諸国が最近締結した貿易協定に打ちのめされた何十万もの小規模農家のストライキを、都市部の労働者と労働組合が支援している。ストライキとデモの波は、コロンビアにおける過去数十年間でもっとも重要な社会運動というだけではない。これは、グローバル新自由主義プロジェクトに対する現行の最も広い裾野を持つ挑戦である。環太平洋パートナーシップ協定(TPPA)のような新しい貿易投資協定が厳秘の状況下で準備されている中、ここから学ぶことが多くある。そして、この運動には世界的な支援が必要だ。

鶏肉、乳製品、米、じゃが芋、コーヒーその他の農産物生産者に、他のグループが加わった。ガソリン代の高騰に抗議するトラック運転手、民営化に苦慮する医療関係労働者、同国の鉱物資源の投売りに抗議する鉱員、教師、皆それぞれの要求は異なるが、皆が農村の反乱の支援で団結している。ナショナルセンターCUTと他の労組は、広い支持を動員する上で欠かせない存在だ。

昨年発効された米国との貿易協定は、即座に輸入農産物の70%の関税を撤廃し、残りの農産物に関しては段階的に廃止するものだ。直接あるいは間接的な補助金の恩恵を受けている安価な輸入農産物が乱入するのは容易に予想できることだ。人々の生活の糧に対する深刻な影響はすぐに出始めた。

サントス大統領は当初、抗議が起こっていることを否定した(と同時に抗議者に暴力を行使した)。次に、この運動をゲリラのせいにした。抑圧はエスカレートし、8月25日にボゴタで警察が、政府との交渉を委任されたCUTの執行委員、ヒューベルトデヘサス・バレステロス・ゴメスともう一人の組合幹部を逮捕した。彼はまだ拘留されている。その後サントス大統領は、ストライキと抗議をやめるという条件で、この運動の要求を交渉する用意があると言った。ようやくサントス大統領は、協定のいわゆるセーフガードに基づき交渉に合意したが、話し合いは暗礁に乗り上げたままである。

しかし協定の条項には、このようなセーフガードは存在しない。

本協定は、以前コロンビアに許されていた変動関税の使用を明確に禁止するものである。この変動関税の下では、輸入価格が下がると関税を上げることができた。品物の数量の激変に対応するため臨時措置は許可されたが、それはまだ免税対象でない輸入に限られる。コロンビアの生産者は、生活の糧を破壊する価格変動に対して、自分たちを守るすべがない。WTO規則の下で現在、許可されている非常に限定的な農産物セーフガードのメカニズムでさえ、米国・コロンビア協定から排除されている。これは、貿易投資協定が如何に国内の政策の自由を制限し、企業の力を強くするための制約の層からなりたっているかの好事例である。

価格変動だけが、食糧保障と農村の収入に対する攻撃の要素ではない。金融的投機、土地価格の高騰、政府の『未登録(特許権を与えられていない)』種子に対する政府の取り締まりなどがすべて、その背景にある。

米国及び欧州連合との貿易協定に付随する『セーフガード』にもかかわらず、労働組合活動家、農村の活動家、市民の自由の擁護者は殺害され続け、犯人はその責任を問われていない。7月に、駐米コロンビア大使が、海外登録のペーパーカンパニーを通じて小規模農家が所有する土地を大企業に譲渡した嫌疑で辞職した。これに関与していた会社は、米国籍企業カーギル、コロンビア最大の製糖会社のリオパイラ・カスティ-ラ、そしてサントス大統領の親友で、コロンビア最大手の新聞のオーナーの億万長者が所有する金融会社である。食糧保障を弱体化させているのは、コロンビアと海外投資家のジョイントベンチャーである。

『我々は皆、小規模農家』というスローガンの下、この運動は、貿易協定の再交渉または廃止を要求する。世界の労働組合は、この要求を支持するべきだ。そしてコロンビアの教訓をTPPAや類似の反民主的な投資協定を覆す闘争に活かすべきである。

コロンビアのこの運動に関する最新情報は、定期的にIUFラテンアメリカ地域組織のウェブサイトに掲載される。